アトピーとアレルギーの関係について

今回はアトピーとアレルギーの関係についての記事です。

アトピーとアレルギーの関係についてちゃんと説明できる人は実は少ないのではないでしょうか。両者の関係を理解しておくことは治療方針を信じる上で大切です。

それではアトピーとアレルギーの関係について紹介したいと思います。

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アレルギーとは

アレルギーは免疫の過剰反応

人間の免疫系はよくできていて、体に細菌やウイルスなどの異物が侵入しないように皮膚や粘膜で身体をコーティングしています。そしてそのバリアを破って侵入してきた異物に対しては、免疫が働き抗体を作り排除するようにプログラムされています。

例えば、インフルエンザのワクチンなんかがわかりやすい例です。注射で直接体内に弱いインフルエンザウイルスを入れることで、身体はインフルエンザに対する抗体を作ります。それによってインフルエンザが流行る時期になってもインフルエンザにかかりづらくなるし、罹っても軽症で済むのです。

このように人間の免疫は異物を侵入させない、侵入した異物は素早く排除するという二段構えになっているのですが、本来人体にとって無害なものに対しても、免疫が働き抗体を作り排除しようとすることでアレルギーが起きます。

つまり、アレルギーとは免疫反応が特定の異物(抗原・アレルゲン)に対して過剰に起こることをいいます。

そしてこの免疫反応がおこる部位によって、アレルギーの名称も症状も変わります。

例えば、鼻で起きればアレルギー性鼻炎(花粉症)、目で起きればアレルギー性結膜炎、皮膚で起きればアレルギー性性皮膚炎、気管支で起きれば気管支喘息、口や体内で起きれば食物アレルギーなどと呼ばれるのです。

 

アレルギーは突然発症する

アレルギーは抗原に対する抗体が作られ、再度抗原に触れることで突然発症します。つまり、今は大丈夫でも、抗原に触れ続けていることで徐々に抗体が作られていき、今まで大丈夫だったものに対して突然アレルギー反応を起こすようになるのです。

わかりやすいのは花粉症です。よく今まではなんともなかったのに今年の春から花粉症になっちゃったという人がいるのはこのためです。

 

アレルギー体質

アレルギーを起こしやすい体質のことをアレルギー体質と呼びます。このアレルギー体質になるかどうかは、遺伝的な要因と環境的な要因があるとされていますが、最近では衛生仮説が説得力のある仮説として有名です。衛生仮説については、アトピーの本当の原因 衛生仮説と旧友仮説も参照してみてください。

衛生仮説

環境が清潔すぎると、アレルギー疾患が増えるという衛生仮説は非常に話題となっていた[3]が、それを裏付けるように2004年ドイツを中心とする医科学チームの研究により乳幼児期におけるエンドトキシンの曝露量が、以後の花粉症ぜんそくの発症に密接に関係していることが明らかにされた。これは、乳幼児期の環境が清潔すぎると、アレルギー疾患の罹患率が高くなるという衛生仮説を裏付ける重要な報告である[4]

ウィキペディアより引用

アトピーの人なら一度は聞いたことがある、IgE抗体はまさにアレルギーの原因となる抗体の一種です。IgEの数値が高く、IgE抗体を作りやすい体質ほど、アレルギー体質と言えます。アトピーの人は、IgE抗体の数値が高い人が多いため、アレルギー体質であると言えます。

  

アトピーはアレルギーなの?

アトピーは純粋なアレルギーではない

じゃあ、アトピーはアレルギーなのかというと、実は純粋なアレルギーではないです。アトピーは皮膚のバリア機能障害にアレルギーを併発している状況というのが正しいです。数式にするなら、

アトピー = 皮膚のバリア機能障害 + 皮膚でのアレルギー反応

と表すことができます。皮膚のバリア機能が破綻しているから痒くなるし、バリア機能が破綻しているからアレルゲンが侵入してきてアレルギー反応が起きてますます痒くなるのです。

わかりやすい例をあげるなら、保湿をしなさいというのは、皮膚のバリア機能障害を補うためだし、ダニを駆除しなさいというのはアレルゲンを減らして皮膚でのアレルギーを減らすためなのです。

皮膚のバリア機能障害とアレルギーのどっちがメインの原因になっているかは人によりますが、重症のアトピーの人ほど、アレルギー体質が強い傾向にあります。皮膚科の中にはアレルギーは関係ないという主張をするひともいますが、かなり軽症のアトピーを除いてアレルギーが関係していないということはないでしょう。

アレルギーは治らない、でもアトピーは治る

よくアレルギーは一生治らないと言われるのは、一度できた抗体は減らすことが難しいし、成人のアレルギー体質を治すことが現代の医学ではできないからです(アレルギー体質を緩和することはできます)。だからアレルギーの根本対策は徹底的に抗原(アレルゲン)を避けるしか方法がないのが現状です。

一方でアトピーは治ります。それは皮膚のバリア機能障害を治すことができ、バリア機能障害が治ればアレルゲンが侵入できなくなるからです。

このことを知っていると、アトピー治療にも希望が持ててきますよね。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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