私の脱ステ体験談

脱ステはとても大変です。安易な脱ステにより、アトピーがより重篤化することや、白内障や網膜剥離などを起こして失明する場合もありますし、命が危険にさらされることもあります。

それでも私は脱ステをしてよかったと考えています。この記事では私の脱ステの実体験を書きます。今後脱ステをする人や、脱ステ中の方のためになればと思います。

ただし、当時の写真はあまり残っていませんので写真は少なめです(つらくてそれどころじゃなかった)。ご了承ください。

なお脱ステの正しい方法については、脱ステの正しい方法の記事を参照してください。

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脱ステの方法

私は脱ステをする際に、佐藤健二先生の本の「患者に学んだ成人型アトピー治療」を参考にして自宅で行いました。

基本的な治療方針は

  • 完全な脱ステ・脱保湿
  • 浸出液や落屑が多い時はタンパク質を多めに食べる
  • 運動をなるべくする

です。

脱ステの準備

脱ステの準備として、時間が取れるようにニートになりました。また脱ステという治療をすることを家族に伝え、家族の協力を得るようにしました。脱ステには時間と家族の協力が不可欠だと思います。

脱ステの経過

脱ステ前

脱ステを行う前には、上半身の肩、背中、胸にデルモベートという最強のステロイドをほぼ毎日使用していました。顔にはロコイドを毎日使っていました。また保湿剤としては、馬油とビーソフテンを使っていました。

ステロイドなしでは肌が機能しないステロイド依存性皮膚症を明らかに発症していました。試しに数日間ステロイドの使用を止めたところ、まぶたから浸出液がだらだらとでてきたので、すぐにステロイドの使用を再開したこともあります。

脱ステ開始時期(1~20日ほど)

脱ステを開始してすぐにリバウンド現象が発生しました。リバウンドの始まりは、皮膚がぼろぼろと剥けひりひりすることで始まりました。そして翌日の入浴でシャワーを浴びただけで、顔や首からの浸出液が止まらなくなりました。ティッシュが何枚も浸出液でいっぱいになりました。だいたい一時間は浸出液が出続けたと思います。顔を掻いてもいないの浸出液が出てきたのは非常にショッキングでした。

次に、皮膚のあちこちに亀裂が入りました。亀裂からは浸出液が出てきました。

また猛烈な痒みもすぐに始まりました。夜に痒みで眠れなくなりました。明け方になりやっと寝れたと思ったら痒みで起きるということも何度もありました。

また朝起きると浸出液で首が枕に張り付くようになりました。

浸出液の塊が身体中にできました。それを痒みで掻いて皮膚から落とすと、浸出液に絡まった毛が同時に抜けていきました。よって眉毛の大半が抜けてしまいました。

写真の時期はまだ眉毛がありますが、ご覧のように浸出液の塊が眉毛についています。また皮膚のあちこちが亀裂だらけになっています。この写真は脱ステして10日ほどの時期のものです。

脱ステ初期(20~40日ほど)

この時期は浸出液が身体の全体から出るということはなくなりましたが、相変わらず身体のあちこちから浸出液が出ていました。浸出液が固まって、かさぶたのようなものが身体のあちこちにできました。

身体のあちこちが浸出液で固まっているために、動くと皮膚が割れて痛いということもあり、積極的に運動をすることはできませんでした。

それまで湿疹のなかった肘や膝裏にも湿疹がでるようになりました(これは脱ステに特徴的な現象らしいです)。

また驚くべきことにステロイドや保湿剤を塗っていなかった足もががさがさになり、皮膚がシワシワになり、落屑が出ました。足の写真は運良く残っています。ちょうど1ヶ月ほど経過したときの写真です。

脱ステ中期(40~60日ほど)

この時期は浸出液がほとんど止まりました。落屑は相変わらず毎日大量に出ます。痒みは相変わらず強いのですが、眠れるようにはなりました。

体も楽になってきたので、なるだけ積極的に運動をするようにしました。毎日二回30分の散歩かジョギングをしていました。

落屑は最初は大きい皮膚片という感じですが、徐々に小さくなっていきました。

脱ステ後期(60~90日ほど)

この時期には完全に浸出液が止まりました。また痒みも減り、掻き毟るということはなくなりました。

落屑はさらに減り、粉状になりましたが、ずっと出続けていました。

大きな傷や湿疹が減り、大きな傷があるのは肘と膝のみになりました。

この時期には少しずつですが、人とも会えるほどには回復していきました(もちろん、普通肌というわけではないのでマスクをしていましたが・・・)。

脱ステ終了期(90日~)

どんどん皮膚が正常化していきました。皮膚の過敏性も減っていき、多少お酒を飲んだりしても痒みが起きにくい皮膚になりました。

皮膚症状の悪かった首や肩には色素沈着が残りました。

落屑もほぼ止まりました。

どの時点で脱ステが終了したかというのは難しいのですが、だいたい120日ごろには離脱症状(リバウンド)は終わったと考えています。

脱ステを終えてから

脱ステの離脱症状を乗り切っても、皮膚の過敏性が上がっているので、季節変化などのちょっとした刺激で皮膚炎が再発します。実際、私は脱ステ後2度リバウンド級の悪化を経験しています。脱ステはアトピーを治す治療ではなく、あくまでステロイド依存性皮膚症を治す治療なのです。

脱ステ後はステロイドなしでいかに皮膚症状をコントロールするかが大切です。現在良い状態を維持できているのは、アトピーの原因に対して原因療法ができているからだと思います。アトピーの原因についてはアトピーの本当の原因は皮膚免疫と腸内免疫にありをみてください。

脱ステをして良かったこと、悪かったこと

最後に脱ステをして良かったこと、悪かったことをまとめます。

良かったこと

  • ステロイドとの縁が切れた
  • ステロイド依存性皮膚炎が治った
  • 痒みが減った
  • 皮膚が丈夫になった
  • 赤ら顔が治った
  • アトピーが良くなった

悪かったこと

  • ニートになった
  • 青春の時間が失われた
  • 恋人と別れた
  • 色素沈着が残った
  • 軽い対人恐怖症になった

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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