アトピーの肌にはさまざまな病原性細菌が繁殖しています。そしてその細菌自体にアレルギー反応をおこしているのが成人アトピーの大きな特徴です。
特にカビが繁殖すると皮膚がガサガサになり、落屑が止まらなくなり、アトピーが一気に重症化します。
以前の記事で、病原性細菌のうち特に悪さをしている黄色ブドウ球菌の対策方法について書きましたのでこの記事と合わせて読んでください。
前置きはいいからとにかく対策を知りたいってひとはここをクリック。
目次
アトピーとカビって関係があるの?
結論から言うとアトピーとカビはめちゃくちゃ関係があります。カビは空気中にいくらでもいるんだけど、実はヒトの肌にも常在しています。アトピーで慢性的に痒いって人は、高確率で皮膚にいるカビに対してアレルギーを起こしています。特にカンジダとマラセチアが悪さをしていることが最近の研究でわかってきました。
カビが厄介なのは、アトピーに併発し、ステロイドの効きを弱くしてしまうことにあります。ステロイドは免疫を抑えてしまうためカビを増殖させてしまうからです。また普通に皮膚にいる常在菌なので完全になくすことはできないという厄介さもあります。
下の写真はネットから拝借したものですが、丸で囲ってあるのはすべてカビに対するIGEアレルギー値です。特にマラセチアとカンジダに対して、強いアレルギーを起こしていることがわかると思います。
http://ameblo.jp/miko-choco/theme-10091628401.htmlより引用
アトピーの肌は正常な角質層が形成されていないことからカビが繁殖しやく、とくに落屑が多い人の皮膚はカビだらけです。
実は落屑は体にいるカビをなんとか追い出そうとして、皮膚が自分で脱皮をしている自浄作用によるものという説もあります。
特に脱ステしてしばらく時間が経っているのに落屑が止まらないというひとは、カビが繁殖している可能性が高いです。実際私も脱ステしてからずっと落屑が止まらなかったのですが、カビの対策をするようになり、一気に落屑が減りアトピーが軽快しました。その話についてはこの記事に書いてあります。
カビが繁殖している皮膚
カビが繁殖しいている皮膚は普通のアトピーの皮膚とは異なり特徴があります。説明のためにネット上の写真を拝借しました。
http://ameblo.jp/hifukayumi/より引用
上の写真のように、強く乾燥していて、皮膚が白くなり落屑しているような部分には大量にカビが繁殖しています。
http://plaza.rakuten.co.jp/drkameyama/diary/?ctgy=31より引用
これもカビが繁殖しています。皮膚がぼろぼろ剥けている場所とか皮膚がゴワゴワ・ガサガサするでは多かれ少なかれカビが繁殖していると考えてよいでしょう。
カビ対策をすべきひとは?
自分の肌がカビだらけと言われてもピンと来ない人も多いと思います。そこで、以下のチェックリストを参照してみてください。当てはまるものが多いほど、カビが繁殖している可能性が高いです。
- 血液検査でカビ類に対して高IgEを示した
- 落屑が多く、皮膚がぼろぼろである
- 異様なかゆみが慢性的に続く
- 皮膚がガサガサしていて白っぽくなっている部分があある
- ステロイドの効きが悪い
- 湿度の高いところに住んでいる
- 顔に湿疹がある
当てはまるひとは下で説明する対策を是非行いましょう。数日で痒みが引き皮膚症状が改善する場合は繁殖していたカビが減ったと判断してよいでしょう。
カビ対策方法
抗真菌剤塗布(効果強)
抗真菌剤の利用がもっとも手軽かつ効果のある方法です。抗真菌剤は医者に処方してもらいましょう。どの薬でも効果があるのですが、カンジダとマラセチアに効く薬をくださいと頼むとよいでしょう。私のおすすめは、ルリコンとかアクアチム軟膏です。また医者でもらえない場合は薬局やアマゾンで買える水虫の薬でも大丈夫です。
比較的副作用は少ないが効果は強く、効く場合には数日で痒みが減り、皮膚が再生する人もいます。ただし抗真菌剤はまれにですが、塗ることで痒くなることがあるので、そのときは塗布をやめて、別の薬を試すようにしましょう。
イソジン消毒(効果強)
イソジン消毒は効果が強いですが、副作用が強いので、短期間の使用に留めるようにしましょう。イソジンは医者によっては処方してくれますが、処方してもらえないときは、薬局かアマゾンで自分で買いましょう。比較的安価に買うことができます。なおここでいうイソジンは、うがい用のイソジンではなく消毒用のイソジンのことです。
使い方は、
- お風呂で身体を洗い、よごれをおとす
- 患部にイソジンを塗り一分間放置(肌に刺激を感じる人は2倍から3倍程度に薄めて使用する)
- シャワーやお湯でよくすすぐ(三分程度推奨)
最初は毎入浴時に行ってもよいのですが、良くなってきたら、徐々に頻度を減らすとよいです。イソジンは非常に強力な薬ですが、刺激が強くかぶれる、長期使用で甲状腺の機能に問題が起きるなどの副作用があるので、症状のひどい時のみの使用にとどめましょう。
酸性水で消毒(強い酸性ほど効果高い)
超酸性水(強酸性水)はその名の通り、pH2.5程度の強酸性の水です。イソジンにこそ劣るものの強力な殺菌効果があるので、カビの殺菌に著効を示します。
イソジンは念入りに洗い流す必要がありますが、酸性水は水に変わるので洗い流さなくても大丈夫なので持ち運びにも便利です。スプレーなので外出先で痒みを感じた時にもシュッシュと吹きかけることができます。
酸性が強いほど、皮膚への刺激も強く、長期間の使用は皮膚の肥厚化を引き起こすことがあります。長期間の使用には注意が必要です。
入浴(効果中)
アトピーが気になる部分を中心に石鹸でしっかりと洗い流しましょう。カビは毛穴や汗腺の中に潜んでいることが多いので、一回の入浴だけでは十分に減らすことができないこともあるので、気長に続けましょう。
注意点として石鹸により肌荒れを起こさないように、合成界面活性剤の含まれていない無添加の石鹸を使用しましょう。無添加の石鹸ならなんでも良いのですが、私はミヨシ石鹸の商品を使っています。
汗をかく(効果中)
汗をかくのは、ある程度皮膚の状態が良くなってきた人向けです。重症のひとは汗をかくと炎症がひどくなるので、絶対に行わないでください。
カビは毛穴や汗腺の中に潜んでいることが多いので、汗をかくことで体から追い出すことができます。
また汗をかくことで汗腺が鍛えられ、皮膚全体が潤い、天然の抗菌成分も増えるので、皮膚の調子が良くなってきたら徐々に汗をかく練習をするとよいでしょう。
おすすめの汗のかき方は、運動・入浴・サウナなど。ただし汗を放置すると痒くなるので、運動で汗をかいたらすぐに洗い流すようにしましょう。その点、入浴やサウナはすぐに汗を洗い流せてよいです。
除湿機の使用(効果弱)
カビが増えやすい条件として、湿度が高いことが挙げられます。日本は湿潤な気候のため、カビが多いと良く言われます。除湿機の使用は、皮膚に常在するカビに対しては即効性があるわけではないのですが、室内のカビを減らす効果があります。
カビに対してIgE抗体ができている人の中には、室内のカビが悪化因子になっている場合もあるので部屋のカビ対策もすると良いです。除湿機の使用が手軽でおすすめ。
転地療法で乾燥した地域に行くとアトピーが治ってしまったというひとは、アトピーの悪化因子であった空気中のカビが少ないのに加え、皮膚にいるカビの繁殖が抑えられたからである可能性が高いです。
まとめ
カビの対策方法についてまとめました。カビが皮膚に繁殖しているひとには著効を示します。私は黄色ブドウ球菌対策とカビ対策を同時に行ったことで、一気に皮膚状態が良くなりました。ぜひお試しください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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