アトピーの悪化因子に界面活性剤(特に合成界面活性剤)の使用による皮膚のバリア機能の低下があげられます。
界面活性剤なんて使ってないから大丈夫と思ってる人も多いでしょうが、この界面活性剤本当に色んな商品に入っているので、しっかりと気をつけないと知らず知らずのうち使っているということもあります。
今回の記事では界面活性剤の影響に関してまとめます。
目次
アトピーの原因は界面活性剤なの?
そもそも界面活性剤ってなに?
界面活性剤とは、分子構造的には水に馴染む親水基と油に馴染む親油基という相反する二つの性質を持つ特殊な物質です。それゆえに本来混じり合わない水と油を混ぜるの役立ち、油汚れを落とすという効果を発揮します。石鹸、洗剤、化粧水、化粧品、医薬品などに含まれています。
http://www.kao.com/jp/qa_cate/clothcleanser_04_02.htmlより引用
界面活性剤は皮膚免疫を異常にする
私はアトピーの原因の一つに界面活性剤、特に合成界面活性剤が関わっていると考えています。というのも、石鹸や洗剤で体を洗うことで、界面活性剤が汚れだけでなく、皮脂膜の油にも取り付き、洗い流してしまうからです。
もっとくわしく説明しましょう。
アトピーの本当の原因は皮膚免疫と腸内免疫にありで書いた通りアトピーの人は免疫異常を起こしているわけですが、皮膚免疫の異常を引き起こすのに、界面活性剤が一役買っています。
そのプロセスは、
界面活性剤(主にボディソープなどの洗剤)の使用により、皮膚の皮脂や有益な常在菌が除去される
→バリア機能が低下し乾燥肌になり、アレルゲンが進入する
→常在菌のバランスが崩れ、病原性細菌が増殖し、それがアレルゲンとなる
→洗い流しても界面活性剤の一部は皮膚に残り、表皮細胞を次々と破壊する
というものです。このプロセスによって、皮膚のバリア機能障害に陥り、さらに病原性細菌が繁殖し、皮膚免疫が異常な状態になりアトピーになってしまうのです。
合成界面活性剤はもっと恐ろしい
さらに、恐ろしいのは合成界面活性剤です。合成界面活性剤は化学的に作られてもので、数千種もの種類が作られており、洗浄力が強く、また毒性も強いのです。そして用途に応じて、さまざまな洗剤や化粧品などに複数配合されているのです。
合成界面活性剤は経皮吸収され、血液を通して全身を巡ります。合成界面活性剤は自然のものではないため当然人体に毒性をもちます。合成界面活性剤は人体に大きな悪影響を与えており、アレルギーや癌を含めた多くの病気の誘因になっているとも考えられています。
乳幼児期の合成界面活性剤の使用は特に控えるべき
乳幼児期に合成界面活性剤を使うことで乳児湿疹が起きると考えられています。
もともと乳幼児は肌が弱く、合成界面活性剤で皮膚のバリア機能が破壊されることで乳児湿疹が引き起こされます。そしてその状態が長く続くことでアレルゲンへの感作が成立しアトピーになります。そしてステロイドの使用により免疫がさらに撹乱されアトピーが完成してしまうのです。
このプロセスを起こさないためにも、乳幼児期の合成界面活性剤の使用は特に慎重になる必要があります。
界面活性剤を控えればアトピーは治るのか?
界面活性剤を使わないことでアトピーが軽快する
アトピーの原因のひとつが、界面活性剤にあるのであれば、界面活性剤を控えることでアトピーは軽快するはずです。
実際に、磯辺クリニックの磯辺院長は界面活性剤の使用がアトピーの誘因であると考えており、アトピー患者に界面活性剤を使わないことと、適切な痒み対策を指導したところ、高い効果を上げています。
磯辺理論
25000例を超える自験例の内、04年4月から8月までの5ヵ月間に外来受診された651人の患者さんの症例を聞き取り調査し、次の事項が判明しました。
- アトピー性皮膚炎の最大の誘因は、洗剤(合成洗剤、天然素材の石けん)で、日々洗うことである。
- この成因論を理解するには、①洗剤と皮膚組織との化学反応、②本来の皮膚がもつ素晴しい局所免疫機構、を熟知しなければならない。
- 治療は、まず「いかなる洗剤も中止する」ことから始めなければならない。洗剤で洗う習慣をやめ、かゆみを除去すれば80%強の症例は治る。
- 治療にステロイドを必要としない。100例を超える副腎の経験とその治療成績から、副作用を考えれば、ステロイドの使用は避けるべきである。
- プロトピックは、免疫を抑制するのだから、使用すべきではない。
- アトピー性皮膚炎は、遺伝しない。生まれたときから日々、洗剤で洗う生活習慣が同じだから、遺伝するように思われているだけである。新生児の胎脂を洗剤で洗い流さず、その後も洗剤を使用せずにお湯洗いだけにすれば、アトピー性皮膚炎にはならない。
- 合成洗剤は環境汚染にも深く関与しているのだから、即刻、その使用を中止しなければならない。
アトピーは合成洗剤が原因だった! より引用
界面活性剤を断っても効果がない人もいる
この磯辺理論に基づいて全ての洗剤を断つという方法は、皮膚のバリア機能を再生させるという意味で、非常に画期的で効果の高い方法であると言えます。
しかし一方で洗剤を断ってもアトピーが改善しないひともいます。事実、界面活性剤を避けただけでは私のアトピーは改善しませんでした。
そのようなひとは、皮膚に病原性細菌が大量に繁殖していると考えられます。洗剤を断つということは、アトピーの原因になっている病原性細菌の繁殖を加速させてしまう負の側面もあるのです。
つまり、皮膚のバリア機能が破綻していて、病原性細菌が大量繁殖してしまう状態に陥っているひとは、界面活性剤をなくすだけでは皮膚の炎症は収まらず、皮膚のバリア機能は再生しないのです。
そこで界面活性剤を使わないと同時に、皮膚の消毒、殺菌によりは皮膚の病原性細菌も減らす必要があるのです。くわしくは黄色ブドウ球菌対策でアトピーを改善を参照してください。
まとめ
界面活性剤の使用はアトピーの誘因になっていると考えられます。アトピーのひとは界面活性剤を避けるべきです。
軽症のアトピーの方や、アトピーを発症してまもない人は、界面活性剤を避けるだけでアトピー症状がなくなったり軽快します。
界面活性剤を避けてもアトピーが改善しないひとや重症のひとは皮膚での病原性細菌の繁殖が原因となっているので、界面活性剤を避けるだけでなく、同時に消毒や殺菌を行うとよいでしょう。
界面活性剤のアトピーへの影響についてはこちらの本が詳しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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