瀉血 アトピー最強の対症療法の記事で瀉血についての効果ややりかたについて書きましたが、未だに瀉血療法はアトピー患者の間で賛否両論の治療法です。
そこで、今回の記事では改めて、瀉血のメリット、デメリットについてまとめます。
そもそも瀉血とは?
瀉血とはなんらかの方法で人為的に人体から血液を取り出すことで症状を良くする治療法で、古くからあちこちで行われていました。以下ウィキペディアより引用です。
瀉血(しゃけつ)とは、人体の血液を外部に排出させることで症状の改善を求める治療法の一つである。古くは中世ヨーロッパ、さらに近代のヨーロッパやアメリカ合衆国の医師たちに熱心に信じられ、さかんに行われた[1]。だが、現代では実は医学的根拠は無かったとされる。
現在の瀉血は限定的な症状の治療に用いられるのみである。方法としては17ゲージ前後の注射針を血管に穿刺・留置してチューブを通し吸引機を使用して血液を抜き去る。
ウィキペディアより
昔は鍼灸師や整体師なども患者に瀉血を施していたのですが、今は血を抜くという性質から医師以外行ってはいけなくなってしまったために、一昔前に比べて行われることが減りました。とはいえ瀉血療法は多くの疾患に対して非常に高い効果を示すために、今も鍼灸師や整体師が隠れて行っているという実態もあります。
瀉血は軽くあげるだけでも、腰痛、肩こり、体の痛み、冷え症、むくみ、アレルギー、花粉症、アトピー、頭痛、不妊症、などに効果があるそうです。最近では芸能人やスポーツ選手も専門の医師から瀉血治療を受けています。特にスポーツ選手は瀉血治療を受けることで、体のハリや緊張がとれて高いパフォーマンスが出せるそうで、積極的に取り入れている選手も多いそうです。
さて、特にアトピーの人が行う瀉血療法は、針で皮膚に小さな穴を開けて、陰圧したカップを用いることで血を抜く方法によることが多いです。このようにカップを用いるため瀉血療法のことをカッピングとも言います。陰圧するためにシリコンカップを用いたり、吸引機を用いて吸引したりする人が多いです。
アトピーの人が瀉血を行うのは、痒みが無くなり、炎症が引くからです。アトピーに瀉血治療を専門で行う病院があるほどです。そのような病院では瀉血療法のことをメディカルカッピングと呼んでいます。
瀉血のメリット
瀉血にはさまざまなメリットがありますが、そのうち特にアトピーに効果があると考えられるのは、痒みや炎症を取る効果、皮膚の再生効果です。
痒みや炎症が取れる
瀉血により痒みや炎症が取れるのは、血液中の炎症物質や痒みを引き起こす物質が排出されるからだと考えられます。
もともとアトピー患者の血液中には痒みや炎症を引き起こす物質であるIL―31やらヒスタミンやらIgEが多いのです。特にアトピーの患部にはこれらの物質が集まっていて、炎症やアレルギー反応が起きて、痒みが誘発されています。
瀉血をすると血液ごとこれらの物質がなくなるので、すぐに痒みが減り、炎症も引きます。脱ステのリバウンド時期の異常な痒みも軽減することができます。瀉血は効果の高さも即効性もステロイドに匹敵するほどです。
アトピーが100日で完治した方法!というブログにも瀉血により痒みや炎症が取れたことについて書かれています。アトピー界隈でかなり有名なサイトなので知っている人も多いのではないでしょうか。
瀉血で、症状は劇的に改善しました。吸いだすたび、まっ黒なヘドロ状の血塊がたくさんとれて、次第にかゆみが減っていきます。炎症が治まっていきます。肌がきれいに修復されていきます。ステロイドより効きます。かゆみで眠れない日々はウソのようになくなって、毎夜、熟睡できるようになりました。時折、ジャンクフードを食べたりファミレスで食事したりして炎症が顔をだしても、瀉血をすればすぐに治るのです。
http://atopy100days.com/?p=211
皮膚の再生効果
瀉血には皮膚の再生を加速させる効果があります。これは古く炎症物質だらけの血液が排出されることで、患部に新鮮な血液が供給されるためだと思われます。
実際瀉血で取れる血はどろどろしています。これはフィブリンという血液を固める役割を担っているタンパク質が多いためと言われており、炎症が身体の他の部位に広がらないように、新鮮な血液の供給を阻害しているためと考えられます。
瀉血により、炎症物質とフィブリンの多い血液がなくなることで、血流が改善し、毛細血管の隅々まで新鮮な血液が行き渡り、皮膚の再生が加速します。
さらに痒みが減るので掻きこわしも減るので、まさに皮膚の再生には一石二鳥です。
あるアトピー患者のブログには、長らく治らなかった傷が瀉血によりたったの二日で治った体験談が書かれています。
当時、フェイスラインに
1年近く治らなかった炎症がありました。
深さのある直径1cmくらいの傷です。
毎晩掻き壊して血液が多めに出る→
日中かさぶたになる→夜また掻き壊す
を繰り返していました。
ステロイドを塗ったくって絆創膏をしても
変わらなかったこの炎症。
ここに針も刺さずに吸い玉をしたところ
どす黒い血液がどくどくと溢れました。
そして見る間に噂のレバーちゃんに変身。
(血液は時間が経てば必ず固まりますが
速度が異様に早いのです。気になる方は
アトピーカテゴリーの記事をご覧ください。
実験したりしています♪)
それを3回ほど繰り返してたら、、、
いつもの痒みが無くなっていました。
あの、皮膚の下で蠢く不愉快なムズムズが。
なんだこの爽快感!!
なんだかすごいぞ爽快感!!
もう目から鱗でしたーー。
そして翌日、いつものように日中にかさぶたになり
夜は自然と掻き壊すこともなく、
なんと2日で治ってしまいました。
http://ameblo.jp/mayunpes/entry-11478974145.html
瀉血のデメリット
一方で瀉血のデメリットとして、感染症を起こすリスクがあことと、貧血を起こすことがあげられます。
感染症については、清潔な器具を用いて適切な消毒することで容易に回避できますが、貧血については場合によっては深刻な問題になります。貧血は甘く見られがちですが、死に至ることもあります。
特に重症のアトピーで瀉血を繰り返している人は、重度の貧血に陥っている可能性が高いです。サプリで鉄、ビタミンなどを積極的に摂るようにすることで、多少は貧血を予防できますが、瀉血の頻度が多いと焼け石に水でしょう。
私は週に一回のペースに瀉血を行っていた時期がありましたが、そのペースの時でさえ血液検査で貧血の診断を受けました。貧血については十分に注意する必要があります。
私の見解
以上のメリット・デメリットを踏まえて私は瀉血を推奨する意見です。というのも、瀉血の炎症と痒みを取る効果が非常に高く、貧血の副作用さえ気をつければ、アトピーをうまくコントロールする術になりうるからです。
週に数回だけステロイドを外用しているというような人は、代わりに週に数回だけ瀉血をするようになることで自然とステロイドを抜くことができるかもしれません。
毎日ステロイドを使っているような人も瀉血を導入することでステロイドの使用量や使用頻度が減り、ステロイドの副作用の発症確率を減らすことができます。
また、脱ステをしている人にとっては瀉血は痒みや炎症を取る唯一の有効な手段となります。
このように瀉血はアトピーの症状をコントロールする有効な対症療法なのです。
ただし貧血には注意が必要です。瀉血をするときは、頻度と瀉血量に注意し、積極的に鉄、ビタミンなどを補給するようにしましょう。そして身体の異変を感じたら即刻中止するようにすべきです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
このブログを「いいな」と感じていただけましたら、下のランキングバナーをポチッと押していただけますと嬉しいです。

