今使っているステロイドが効かなくなってきたときに試して欲しいこと

今回は久しぶりにステロイドの話です。

前にも軽く書いたことあるけど、ステロイドは使い続けていくうちに、効かなくなっていくということがあります。

実際「長い間ステロイドを使い続けているとだんだんと効かなくなる」とか「今までステロイドを使っていたのに急にアトピー悪化してステロイドが効かなくなった」というのは多くの人が経験していることだと思います。

そこで今回はステロイドが効かなくなる理由とその時に試して欲しいことについて書きたいと思います。

 

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ステロイドが効かなくなるわけ

ステロイドが効かなくなるのには主に二つの原因があります。

まずはこのことをしっかりと把握する必要があります。一つはステロイドの効果減弱で、もう一つが感染症の併発です。

ステロイドの効果減弱

どんな薬でも使っているうちに効果が減弱するという傾向があるのですが、ステロイドはその傾向が顕著です。

すごい直感的な説明をするなら、ステロイドを外部から多量に供給されることで、ステロイドを供給されるのに慣れてしまい、反応性が薄くなるということです。

例えるなら、中学生になってお小遣いをもらえるようになったから最初はすごい嬉しかったんだけど、半年もすればその状況に慣れてしまって今のお小遣いに満足しなくなる。そして一年後にはお小遣いをもっと頂戴とせがむようになるというプロセスに似ています。

要するに、人間外部から何かを与えられていると、最初はよく反応してたのに、だんだんと反応しなくなるということです。

ステロイドの効果減弱については、詳しい実験でも明らかになっていて、長期のステロイド投与で皮膚のステロイド受容体が不可逆的に消失することがわかっています。

ステロイドが効果を発揮するのは受容体(レセプター)がステロイドの成分を受け止めるからなんだけど、その受容体がステロイドの長期使用でなくなるのです。こうなると別の受容体に効くステロイドを使うか、より強いステロイドを使わなくてはならないというわけです。

長期ステロイド投与で、ステロイド受容体が不可逆的に消失する!

人の上皮細胞株(Hela S3細胞)をステロイド(デキサメサゾン 1μM)と共に2年間培養すると、ステロイド受容体が蛋白レベルと、mRNAレベルでほとんど消失する。

26日間までのステロイドと共の培養なら、Hela S3細胞受容体消失は回復可能。だが2年間ステロイドと共に培養すると、6週間ステロイドフリーの培養しても受容体の回復が見られない。受容体の消失は不可逆的!

アトピーの治し方マニュアルより

消失したステロイドの受容体がどれほど回復するのかについては現在も完全にはわかっていませんが、ステロイドは記憶性があるとも言われており、完全には回復しない可能性も示唆されています。

 

感染症の併発

アトピーと感染症ついてはこのサイトで何度も指摘しているから、耳にタコかもしれないが、アトピーの肌には黄色ブドウ球菌、マラセチア、カンジダなどの病原性細菌が異常繁殖していることがわかっています。

これらの病原性細菌が増えすぎるとアトピーに感染症を併発して、アトピーが一気に悪化します。黄色い汁が出るような湿疹は黄色ブドウ球菌がうじゃうじゃ繁殖しているし、落屑が大量に出るような肌にはカビが繁殖しています。

http://blog.livedoor.jp/astuki/archives/1836320.htmlより引用

これなんてわかりやすい。黄色カサブタは全部黄色ブドウ球菌が繁殖してます。

http://plaza.rakuten.co.jp/drkameyama/diary/ctgylist/?PageId=1&ctgy=31より引用

こっちはカビ。カビにかかると皮膚が異様にガサガサになります。

ネットで見かける重症アトピー画像のほとんどがアトピーに感染症を併発しています。

こういった感染症を起こしている皮膚にステロイドを塗ると余計アトピー悪化します。ステロイドは皮膚の免疫力を弱らせるからです。ちなみプロトピックもダメ。ステロイド同様に皮膚の免疫力を落とすからです。

感染症を起こした時はステロイド以外の対策すべきなんだけど、多くの人が感染症に気づかないでステロイドを塗ってアトピーを悪化させています。

これは元を正せば皮膚科医から感染症の説明を受けないからなんだけど、じゃあなんで皮膚科医は感染症について説明しないかというと、そもそもアトピーと感染症の併発について理解していないからなんだよね。日本の皮膚科医不勉強すぎる!!

ステロイドが効かなくなった時に試すこと

感染症を疑う

ステロイドの効きが悪くなってきたらまずは皮膚の病原性細菌を疑ったほうがいいです。もしかしたら皮膚での病原性細菌の数が増えてきたからアトピーが悪化しているのかもしれないのです。

そもそもステロイドを使っていると感染症のリスクが高まるということがわかっています。だからステロイドを使っている人は普段から病原性細菌の対策をしたほうがいいというのが私の意見です。

さて、皮膚での病原性細菌が繁殖しているかどうか判別する簡単な方法は、気になる部分に超酸性水を吹きかけることです。超酸性水でアトピーが良くなったり、かゆみが減るのなら、病原性細菌のせいでステロイドの効きが悪くなっていたと判断できます。

酸性水による対策は比較的安全性が高く、簡単にできるのでオススメです。

病原性細菌の対策方法についてはこちらに詳しくまとめてあります。

黄色ブドウ球菌対策でアトピーを改善

カビ対策でアトピーを改善

休薬期間を設ける

病原性細菌の対策をしていてもステロイドの効き目が落ちていくのであれば、ステロイドの効果減弱が起きている可能性があります。

ステロイドの効果減弱は、ステロイドを毎日使った時に顕著に現れます。

逆に言えば、ステロイドの休薬期間を設けることで効果減弱はある程度抑えられます。

休薬期間を設けるためにも、ステロイドを使う時はしっかりと適切なランクのステロイドを適量用いて、しっかりと炎症を抑えることです。

そもそもダラダラと毎日ステロイドを使うのは間違った使い方です。ステロイドの正しい使い方は、使う時は十分なランク、十分な量を短期間だけ使って炎症を抑えるというものです。そして炎症がしっかり治れば休薬する意外と実践できている人は少ないのではないでしょうか。

ステロイドの正しい使いかたについて

休薬期間を設けるためにプロアクティブ療法という方法を用いるのも手です。

プロアクティブ療法では、最初はステロイドを十分な量外用して、かゆみが軽快し皮膚症状が落ち着いてきたら、毎日の塗布をやめ、隔日に移行し、この隔日での外用でも再発がない場合には、徐々に週二回外用、一回外用へと減らしていきます。

炎症がなくても一定のルールに基づいて外用する頻度を決めてステロイドを塗布することで、炎症の再発を防ぐ方法です。

プロアクティブ療法がうまくいけば、最初こそステロイドの外用頻度は多いけど、徐々に休薬期間が設けれるのです。下図参照。

http://www.kyudai-derm.org/atopy/docter/16.htmlより引用

プロアクティブ療法についてはこちらも参照していください。

ステロイドのプロアクティブ療法って知ってますか?

 


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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