トランス脂肪酸はアトピーを悪化させる

今回の記事はトランス脂肪酸についてです。

アトピーの人はかなり食事に気をつけてるというという人も多いと思いますが、このトランス脂肪酸はまさにアトピーに悪い食べ物の代表です。

アトピー以外の生活習慣病にも悪いということで、世界保健機関が忠告を出しているほどです。

それでは、トランス脂肪酸について詳しく説明していきます。

 

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トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、不飽和脂肪酸は、炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類があります。高校の化学で勉強したのでシス型とトランス型を覚えているひともいるのではないでしょうか?

シス(cis)は、“同じ側の、こちら側に”という意味で、水素原子(H)が炭素原子(C)間の二重結合をはさんで同じ側についていること表しています。一方トランス(trans)とは、“横切って、かなたに”という意味で、水素原子が炭素原子(C)間の二重結合をはさんでそれぞれ反対側についていることを表しています。 

 

トランス脂肪酸は自然界にはあまり存在しない

天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、炭素の二重結合がすべてシス型です。牛や羊などの反芻(はんすう)動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られることがありますが、微量です。

一方、人工的に作られた不飽和脂肪酸にはトランス型が多量に含まれています。これは油を固体化させる技術である水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどの不飽和脂肪酸がトランス脂肪酸を多量に含むからです。

よってマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどから作られたパンケーキドーナツクッキーといった洋菓子類、スナック菓子生クリーム、ファストフードなどの加工食品の多くがトランス脂肪酸を含んでいます。

http://idobatachouzai.blog.fc2.com/blog-entry-153.htmlより引用

トランス脂肪酸はアトピーやアレルギーを悪化させる

さてこのトランス脂肪酸がアトピーを悪化させるということが最近の研究で明らかになっています。トランス脂肪酸がアレルギーの炎症を悪化させることが分かったのです。

ちょっと調べるとトランス脂肪酸とアトピーとの関連を指摘する論文がたくさん出てきます。

トランス脂肪酸がアトピーによくないと指摘する医師もいます。

バターよりコレステロールが少なく健康にいいと、いまだに信じている人がいます。しかし、マーガリンは非常に危ない油なのです。常温では液体である大豆油やコーン油といったリノール酸を多く含む油を原料とし、さらにそれに水素を添加し、天然の油であるバターやラードのように常温でも固体を保つ飽和脂肪酸に変えたものがマーガリンやショートニングです。化学式は同じでも、トランス型といって、自然には、ごくわずかしか存在しない油なのです。

自然界やショートニングも同じで、必須脂肪酸としての機能がないため、単なるジャンク油として体内で消費され、かつその消費に大量にビタミン、ミネラルが使われてしまいます。

そして、アトピーにとってもっと注目すべき欠点は、このトランス型ジャンク油は悪性エイコサノイドの一つであるプロスタグランジンE2の産生を促し、良性エイコサノイドに属するプロスタグランジンE1、E3の産生を抑制するのです。

そのため、炎症を悪化させます。さらに、不自然なトランス型構造の油は、細胞膜をつくるための材料とはなりえず、かえって細胞膜を脆弱にし、有害物質の細胞内浸入を容易にしてしまうのです。

https://www.drmakise.com/atopy/atopy8-1.cfmより引用

この引用は、ドクター牧瀬というアトピーでは結構有名なサイトです。知っている人もいるのではないでしょうか。牧瀬医師によると、トランス脂肪酸は炎症を悪化させ、また細胞膜を脆弱にしアレルギーを起こしやすくするそうです。

下は実際にトランス脂肪酸低減の食事療法を行った結果についてです。

結論

食事療法実施群ではトランス脂肪酸摂取低減によって、AA/LA比は初診時平均0.181±0.036、2回目検査時0.254±0.060(上昇例19、低下例1)と著明に改善し(t検定、p<0.001)、85%の症例で症状が改善しました。トランス脂肪酸摂取継続群では初診時平均0.182±0.045、2回目検査時0.188±0.043(上昇例14、低下例11)と改善はみられず、症状の改善も40%にみられたのみでした。したがって、トランス脂肪酸摂取を減らすことによって、リノール酸代謝は改善し、アレルギー症状は改善しました。
トランス脂肪酸の摂取は必須脂肪酸代謝障害を起こし、エイコサノイド関連の健康維持に必要な生体反応の障害により、免疫力低下、血管障害、神経機能障害、環境適応能力障害などを起こしアレルギー疾患を悪化させている可能性があります。

http://kakutaclinic.life.coocan.jp/より引用

トランス脂肪酸を減らした食事をすることで、アレルギー症状が改善することが示されています。ちなみにここでの食事療法では、マーガリンなどの摂取禁止、不飽和脂肪酸含有の加工食品の摂取禁止、牛乳・牛肉製品摂取禁止、トランス脂肪酸含有が1%以下の植物性油脂使用というかなり厳しいものでした。

トランス脂肪酸を摂らない食事療法

トランス脂肪酸を摂らないために

トランス脂肪酸を摂らないためにも、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングを避けましょう。そんなの食べてないと思っている人もいるかもしれませんが、コンビニ食とかファストフードを食べる人は要注意です。大抵の加工食品には、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングが含まれています。

食べ物を買うときは、ちゃんと原材料を確認すると良いでしょう。

http://www.pasonisan.com/sitemap/yamazakipan.htmlより引用

これは食パンの原材料なのですが、やはりマーガリンとショートニングが使用されています。菓子パン、ジャンクフード、カップラーメンとかは確実にトランス脂肪酸が使われているので、注意してください。

アトピー症状が強いときは加工食品は全く食べない方がいいと思います。症状が良くなってくれば、多少食べても大丈夫になってくるので、それまでは我慢が必要です。

ちなみに、牛肉や牛乳にも微量だけどトランス脂肪酸が含まれているので、気になる人は摂らない方が良いです。ちなみに私の場合は、量を摂りすぎないようにしているくらいです。

オメガ3を摂る

トランス脂肪酸を摂らない代わりに、オメガ3の油を摂るようにしましょう。

要は悪い油を減らして、いい油を増やすことで、身体の中の油のバランスを良くするのです。オメガ3を摂るためには、亜麻仁油、シソ油、エゴマ油を摂ればいいのですが、酸化しやすいのでサプリで摂ってしまうのも手です。一日に一粒で亜麻仁油1000mgを摂取でき、1日当たり40円です。

オメガ3については、アトピーに良く効く栄養素 オメガ3も参考にしてみてください。
 
 

まとめ

今回の記事ではトランス脂肪酸についてまとめました。トランス脂肪酸はアトピーを悪化させますので控えた方が良いでしょう。

アトピーが重症の場合はトランス脂肪酸を完全に断つとよいのですが、アトピーが良くなってくれば多少食べても大丈夫です。また並行してオメガ3の油を積極的に摂ると良いでしょう。

さてアトピーとは無関係ということで、トランス脂肪酸の他の弊害(心臓病、悪玉コレステロール)などの話には触れませんでいたが、興味がある人はぜひ調べてみてください。

こちらの本が参考になります。


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