アトピーは笑って治せ

アトピーはしつこい湿疹と痒みに悩まされる病気です。特に重症の方は一日中痒くて辛く、日常生活もままならないということもあります。そして気づいたら全く笑わなくなってしまいます。事実私がそうでした。

しかし、笑いには人間を健康にするさまざまな効果があり、アトピーの改善にも効果を発揮します。

今回は笑いがアトピーに与える効果について書きます。

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アトピーの人は笑わない

アトピーのひとは笑わないです。なにもデータがあるわけではありませんが、かゆくて辛い時、皮膚がぼろぼろで人目に触れたくない時など到底笑う気になれないのは理解に難くないはずです。私は顔のアトピーがひとい時は笑うことはおろか、皮膚が痛くて表情を変えることすらできないような時期もありました。

またこのブログを運営している関係で、アトピー患者と会うこともあるのですが、概して暗く俯き加減のひとが多く、なかなか笑っている姿を見ることはありません。

もともとの性格というよりも、アトピー症状に悩み苦しむことで笑いを忘れているのだと思います。

笑いはアレルギーを抑制する

しかし最近の研究で笑うことでアレルギー反応が抑制されることがわかっています。

このサイトではすでに何度か説明したことがありますが、アレルギー体質のひとは本来バランスしていなくてはならないTh1細胞とTh2細胞の免疫がTh2細胞優位な状態になってしまっています。これがアレルギーの原因と考えられています。

http://www.sorawebshop.jp/data/sora-skincare/image/blog/kafun-fig2.pngより引用

詳しくは、アトピーの本当の原因 衛生仮説と旧友仮説を参照してください。

現代人のようにストレスの多い生活をしていると、Th2細胞の免疫がより優位になってしまいますますアレルギー反応が強くなります。

一方、笑ったりリラックスしたりすることで、Th2細胞の免疫が減少し、アレルギーも弱くなることが知られています。

アトピーのひとは主にⅠ型アレルギーに関与するIgE抗体の数が多くアレルギー反応を起こしやすいのですが、笑った後には、IgE抗体の数が少なくなり、アレルギーを起こしづらくなります。

このように、アトピーのひとが笑うようになり、気持ちに余裕を持てるようになれば、加速度的にアトピーも改善していくのです。

アトピーと笑いに関する実験

実際、アトピーと笑いに関しての実験が行われており、次のことがわかっています。

  • 診療中に笑いがあった場合はアトピーが改善する可能性が高い
  • 逆に診療中に笑いがない場合はアトピーが改善する可能性が低い
  • 笑った後はアレルギー反応が弱まっている

アトピー性皮膚炎(AD)では精神的ストレスも多く, それが皮膚症状の悪化因子として, 悪循環も形成している. 一方, ストレス改善として笑いがあるが, 癌患者等で笑いの免疫学的効果も報告されている. そこで, 当科におけるAD患者237人を12週間フォローして, 外来での会話時や写真を撮る時の自発的な笑いを検討した. 237例中改善例は197例(改善率83.1%)で, その中で笑いが見られた例は177例(177/197=89.8%)であった. 一方, 非改善例40例中, 笑いが見られたのはわずか4例(4/40=10.0%)であった. さらに改善例には大きな声で笑った例が51例あったが, 非改善例にはなかった. 次に, 笑いがアレルギー反応に影響するかを, プリックテストを用いて皮膚の膨疹, 紅斑反応により, “The Best Bits of Mr. Bean”という喜劇ビデオを観てAD患者で検討した. ビデオを観て笑った後では, ダニ, スギ, 猫毛, ヒスタミンによる膨疹, 紅斑反応が有意に縮小した.

「アトピー性皮膚炎における笑いの効果」より引用

このようにアトピーに対する笑いの効果は、実験によっても確かめられているのです。ちなみにこの論文を書いているのは、「キスすることにより、皮膚のアレルギー症状が改善する」の論文でイグノーベル賞を受賞した木俣肇氏です。詳しくは、アトピーはキスで改善するを見てみてください。

アトピー治療は笑うことから始めよう

アトピー辛くしんどい病気です。肌はぼろぼろになり、見た目も悪くなります。アトピーのせいで、元気がなくなり心まで病んでしまう人が多いのも事実です。

しかし心までアトピーに支配されてしまうと、なかなか症状の改善が見られなくなります。

だからこそ、辛い時にでも笑うようにしましょう。辛いアトピーに対抗する手段が、笑うことなのです。

笑うことで症状が良くなる。これほど簡単な治療もないのではないでしょうか。コストもかからないし副作用もありません。

特に難しく考える必要はありません。お腹を抱えるほどの大笑いだけでなく、くすくす笑うだけでも、社交辞令の笑いでも、笑顔を作るだけでも、効果が実証されています。

お笑いを見る、友達と話す、好きなことをする、なんでもよいので、楽しいことや気持ちいいことに積極的に触れて笑ってみてはいかがでしょうか。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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