今回の記事は減感作療法で有名な代々木クリニックに行ったことについての体験談です。
東京にある脱ステの病院では比較的有名ですので、一度治療法について知りたいのと、血液検査をしたいとの思いから行ってみることにしました。
代々木クリニックとは
代々木クリニックHPより引用
代々木クリニックはアトピーやアレルギーへの減感作療法を行うことで有名な病院です。減感作療法とはアレルゲンをあえて体内に少量取り入れることで、アレルギー反応を徐々に起きにくくする治療法です。アレルギーを完治させうる治療法として近年注目を集めている治療法です。
減感作療法の作用帰順については、この引用の説明が直感的にわかりやすいと思います。
減感作療法とは、その患者さんのアレルゲンをほんの少しずつ体内に入れ、徐々に増やしていくことでそれに対する過敏な反応を減らしていこうという治療法です。 花粉症などのアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくなどの病気に対して行われています。
簡単に言うと、本来、細菌やウイルスといった外敵が体内に入り込んだときに、体を守るために働く免疫系が勘違いを起こすのがアレルギー反応です。本来外敵でも何でもないアレルゲンが体の中に入ったときに免疫系が「おや?これって外敵かな?」と勘違いして反応が起こってしまうのです。
この勘違いを直すために、ほんの少しのアレルゲンを体内に入れます。大変少ない量のアレルゲンに接触したときには、免疫系は「外敵だ!」と思わずに「これって何だったっけ?」と考え込んでしまうんですね。 そこでしばらくしてから、もう少しだけ多い量のアレルゲンを体内に入れます。そのときも免疫系は「う~ん、何か見覚えがあるけど、敵だったかなあ。忘れたなあ」となり、「敵のような気もするけど、まあ適当でいいや」となって、反応が弱くなってしまうのです。
うまくいくと薬が不要になったり、大幅に減らすことが出来ます。医師による治療の中ではアレルギーを「治す」というところに一番近いと言えるでしょう。
http://www.kawano-clinic.net/allergy/desensitization/index.htmlより引用
病院の予約
病院は予約しておくとよいです。かなり人気なようでいつも混雑しているからです。ちなみに予約を入れても運が悪いと30分ほど待たされます。ある意味でそれほど人気がある病院とも言えます。
病院の様子、雰囲気
病院は代々木駅からすぐのところにあります。小さなビルの中にあるのですぐに見つけることができます。中に入るとびっくりするほど多くの患者さんが待合室にいます。
院内が決して狭いわけではないのですが、人口密度が高いので狭く感じるほどです。場合によっては立って待っているような人もいるくらいです。
患者の多くがアトピーの人のようでした。もちろん重症度はまちまちで、本当に軽症で一見全くアトピーと分からないような人から、全身に炎症があるような人まで様々です。
診察室と処置室
代々木クリニックでは診察室と処置室が分けられています。診察室では院長の権東先生と治療方針を決めたり、検査結果について共有したりします。
権東先生の治療方針について簡単にまとめると、
- 皮内テスト・パッチテスト・血液検査で原因となるアレルゲンを特定する
- 原因となるアレルゲンを徹底的に避ける生活指導(食事・掃除など)
- 原因となるアレルゲンの減感作療法
- 皮膚上の黄色ブドウ球菌の繁殖をチェックし、イソジンで皮膚を消毒する
- 抗菌作用のある保湿剤で皮膚バリア機能の補完
- 患者に応じて脱ステや減ステ
です。
一方で処置室では、皮内テスト・パッチテスト・血液検査や減感作療法のための注射を行います。たくさんの看護婦さんが働いていて多くの患者を捌いている印象を受けました。
私は減感作療法は行わなかったのですが、血液検査や皮内テストを行うために処置室に入りました。
血液検査はいわゆるIgE検査というものです。ただTARC(ターク)の検査は含まれていなかったです。血液検査の検査項目について詳しくはアトピーさんの血液検査も参考にしてみてください。
皮内テストでは疑わしいと思われるアレルゲンのエキスを皮膚の表面に注入します。これで15分ほど放置して、皮膚が腫れるかどうかから即時型アレルギーがあるかを判断します。またその後3日間に渡って観察し腫れがないかのチェックをします。分かりにくいかもしれませんが、白っぽくなっているのが腫れです。この写真ではココアでめちゃくちゃ腫れていることがわかると思います。
処方
私は代々木クリニックから、イソジンと抗菌作用のある保湿剤を処方してもらいました。これらの薬は病原性細菌を抑制するためだと思われます。
その他、患者によっては、ステロイド、プロトピック、非ステロイド軟膏、保湿剤、抗アレルギー剤なども処方してもらえるようで、患者に応じた処方をしてくれるようで良心的に感じました。
代々木クリニックの感想
代々木クリニックでの治療方法は基本的に効果が高いと思われます。病原性細菌の殺菌とアレルゲンを避けることはどちらもアトピー治療において重要だからです。
そのための検査がしっかりしているのが良いです。皮膚での黄色ブドウ球菌などの病原性細菌の繁殖状態をチェックしてくれることは皮膚科にしてはめずらしいですし、細かいIgE検査と皮内テストで自分のアレルゲンについて知れることはアトピーの治療において非常に有益です。明らかにIgEが高く出ているアレルゲンを避けることでアトピーが良くなることも多いからです。
一方で私は減感作療法はアトピーにはあまり効果がないと考えています。というのも、アトピーは多因子性の疾患で、IgEだけでは説明のできない部分も多いうえに、かなり多くのものがアレルゲンになってしまっている人が多いので、それらすべてを減感作療法で注入するというのが体力的にもコスト的にも現実的ではないからです。(逆に、減感作療法は少数のアレルゲンだけに反応しているような花粉症などには有効なようです。)減感作療法については軽く勧められますが、もちろん断ることもできます。
総合的に見て代々木クリニックはかなり良心的な病院だと思います。東京近辺に住む人は是非一度行ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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